ミネックスHD株式会社TOP >> 【製品情報】てんろ石灰 >> キュウリホモプシス根腐病回避技術「てんろ石灰」

キュウリホモプシス根腐病制御「てんろ石灰」

キュウリホモプシス根腐病とは

キュウリホモプシス根腐病末期  キュウリホモプシス根腐病は、病原性糸状菌によって引き起こされる土壌伝染性の病害です。感染すると、キュウリの根は褐変し、次第に腐敗していきます。根腐れの症状が進行すると、地上部に激しい萎凋症状が現れ、最終的には株全体が枯死に至ることもあります。
 この病気の病原菌は、Phomopsis sclerotioides (ホモプシス・スクレロチオイデス) というカビの一種です。感染初期には目立った症状が出にくいため、発症に気づいたときにはすでに病状が進行している場合が多く、早期発見と土壌衛生管理が重要になります。

岩手県のキュウリホモプシス根腐病発生実態について

  1. 日本では 1983 年に発生確認
  2. 福島県では 2001 年に発生確認
  3. 岩手県では 2002 年に発生確認
  4. 岩手県では、現在 35 市町村中 13 地域で発生確認
  5. 岩手県内の被害状況
    • キュウリ急性萎凋症が発生した農家の 60~80% がキュウリホモプシス根腐病
    • 露地栽培のキュウリホモプシス根腐病の発生面積は、多い年で 2.5ha
    • 露地の平均発病率は 14~30%、施設は 20~59%
急性萎凋症発病農家の6〜8割がホモプシス根腐病

キュウリホモプシス根腐病 初期症状

【東北農業研究センター 2008 年 2 月発行】
キュウリホモプシス根腐病防除マニュアル p.3 より引用 キュウリのホモプシス根腐初期症状

キュウリホモプシス根腐病 末期症状

【東北農業研究センター 2008 年 2 月発行】
キュウリホモプシス根腐病防除マニュアル p.3 より引用 キュウリホモプシス根腐末期症状

てんろ石灰施用による土壌 pH と発病抑制効果

岩手県農業研究センター調べ てんろ石灰施用による土壌pHと発病抑制効果

てんろ石灰施用と pH 緩衝能曲線

  1. てんろ石灰の施用量は、土壌タイプや土性、腐植含量によって大きく異なるため、必ず緩衝能曲線を作成する。
  2. 畑の 5~6 ヶ所から作土を採取し、混合したうえで、2mm のふるいにかけて礫や根などを取り除く。
  3. 最大容水量 59% の生土 100g に、てんろ石灰 0.5~5g を添加し、約 1 週間静置した後、水 250ml を加えて 1 時間振とうし、pH を測定する (従来のタンカル添加通気法とは異なる) 。
てんろ石灰施用とpH緩衝能曲線

てんろ石灰施用で土壌 pH7.5 に改良し発病抑制

てんろ石灰でpH7.5改良で発病抑制 てんろ石灰施用とキュウリ収穫量

てんろ石灰施用は土壌 pH7.5 目標 (現地実証試験から)

  1. 花巻現地圃場
    • H21 てんろ石灰 2.5t (pH6.2 → pH7.24)
    • H22 てんろ石灰 3.8t (pH6.2 → pH7.60)
  2. 遠野宮守現地
    • H23 てんろ石灰 2.2t (pH6.43 → pH7.40)
    • H23 てんろ石灰 2.0t (pH6.45 → pH7.36)
    • H23 てんろ石灰 1.9t (pH6.52 → pH7.51)

てんろ石灰施用と発病制御効果

岩手県農業研究センター調べ

花巻現地圃場萎凋株の発生状況

試験場所 てんろ石灰 土壌 pH 調査株数 萎凋株率
花巻 H21 てんろ石灰 2.5t pH7.24 303 3.6
H22 てんろ石灰 3.8t pH7.60 153 40.5
無施用 pH6.20 150 82.3
てんろ石灰施用と発病抑制効果?

宮守現地ほ場の萎凋症発生状況

宮守現地ほ場の萎凋症発生状況

宮守現地のてんろ石灰施用

宮守現地のてんろ石灰施用

てんろ石灰施用の三原則

 
  1. 目標 pH は 7.5 とし、施用量は土壌の緩衝能曲線を基に設計する
  2. 土壌 pH は 8.0 を超えないように注意する (微量要素欠乏防止)
  3. 改良深は 10cm とする (※)
(※)
改良深は、過去の研究機関による実績を基に 10cm を基準としていますが、今後の研究や実地検証により見直しの可能性があります。

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
ウリ科野菜ホモプシス根腐病被害回避マニュアル

このページの上へ